2010年5月31日月曜日

Tory Burch

Tory Burchという洋服のブランドは、妻にとって、はたまた最近では日本の多くの女性にとってのお気に入りのブランドのようです。私はアメリカに来てから初めてこのブランドの名前を聞きましたが、最初は"鳥居蜂"という蜂のことかと本気で思いました。

ということで、ちょっと気になって、Tory Burchについて調べてみました。
- そもそも、Tory Burchは人の名前
- Toryは生まれも育ちもフィラデルフィア近郊。親は地元の名家
- 大学はUPENNで、専攻は美術史
- 大学卒業後2004年に自身のブランドを設立するまでは、NYでファッション業界の仕事に従事
- Tory Burch Foundationを2008年に設立。女性の社会進出をサポートしている。また、アメリカ国内の低所得者層の起業をサポートするために、ACCION USAと提携している

ということで、フィリー・UPENNという観点で親近感が湧くと共に、Philanthropyに対するコミットメントに強く興味を持ちました。WhartonのRetail Conferenceとかに来てくれればいいなと思います。

ちなみに余談ですが、NY近郊にあるWoodbury Common Outletの中のTory Burchは日本の価格と比べると相当程度安いようです。先日も行ってきましたが、卒業までにまた行くことになりそうです。

セドナ、グランドサークル旅行記 3. 4日目

旅行4日目は再びセドナ観光です。グランドキャニオンに宿泊して、違うところを観光してからセドナに戻ってくるというプランも当初は検討しましたが、乳幼児がいるので一つのホテルに居を構えている方が何かと便利・落ち着く(子供が部屋の環境に慣れて夜鳴きしない等)こと、基本的にセドナを中心とした旅行にしたいという思いがあること、最後にグランドキャニオンはグランドサークルの中心部からはそれなりに離れているので、日帰りで出かけるのを繰り返してもそこまでドライブ上のロスがないことの三点から、あくまでセドナを拠点とした旅となっています。

4日目
a. アップタウン - Must Go
いわゆるセドナの中心街に当たるアップタウンにまずは行きました。
- ネイティブアメリカン アクセサリーがここでもたくさんのお店で売っているので、妻は引き続き買い物
- 実際にその場で作っている、ユニークなキャンドル屋さんがあり、ここで二つキャンドルを購入(キャンドルに火をつけると、色のグラデーションと共に周りが光ったりします)
- 日本食のHiroで食べた牛丼と寿司はおいしかった
- たまたま入ったパワーストーン屋で、娘に元気がなさそうだからクリスタルを当てて治癒させてほしいと言われ、一分くらい拘束される。その後300ドルで石を買わないかと言われ、即退散(しかし、何かしらの効果があってか、その後1時間くらい娘は急に一言も声を発さなくなりました。。。)

アップタウンの風景

Hiroから見えるセドナの風景

b. Oak Creek Brewing - Nice to Go
セドナの地ビール、Oak Creek Brewingにも見学に行ってきました。車を運転していたため、その場では飲めなかったものの、ボトルでビールを購入し、満足。

c. ベルロック - Must Go
4大ボルテックスで最後となるベルロックへ夕方に向かいました。今回は、妻子を車に残し、私のみ山頂に向けてトレックをしました。

ベルロックの全景です。写真から推測できるように、この山は子供連れでは難しいと思います。

私は結局6-7号目くらいでストップしました。その先はかなり急な岩山になっていて、大変だなという印象だったので。でも、8-9合目くらいまで登っている人達もいたので、トライ自体は出来ると思います。

自分が登った地点からの風景です。

4大ボルテックスの中で、個人的には一番好きな山でした。眺めも良いので、実際にトレックをしてみることを強くお勧めします。

MBAは現代版Grand Tour

最近読み終えた安藤忠雄さんの"連戦連敗"という著書の中に出てきた単語、"Grand Tour"。同書から言葉の意味を抜粋すると、

"17-18世紀のイギリスで、貴族の子弟がフランスやイタリアなどのヨーロッパ大陸を若い頃に放浪した、その習慣の呼称です。10代後半に出発し、短くて1-2年、長ければ5-6年をかけて欧州を歩き、幅広い教養を身につけて帰ってくる。この旅の目的も、帰するところは彼らの自立心の育成にあったのだと思います。"

ということで、自立的・自律的な精神を培う一人旅とでも言えましょうか。

翻って現代日本人の場合、10代にこのような旅を経験することは稀で、基本的には高校卒業後に大学入学、大学卒業後に就職、その後30歳を迎える、というパターンがほとんどです。

本を読みながらふと、MBAとその2年間は、その人の取り組み方次第では、現代の"Grand Tour"になり得るなと思いました。

連戦連敗にも書かれていますが(以下引用)、
"建築史に登場するようなすぐれた建築家は皆、若いときにこうした旅を行っています。そして多くの場合、この旅の過程での発見と思考の時間が、その後の建築家としての展開と生き方に深く関わっている"
この、建築という言葉をビジネスと読み替えてみると、旅は何に置き換わるのか。

大学卒業後、日系証券会社でM&A業務を、その後転職してプライベートエクィティ業務を経験し、ある意味ブロックを積み上げるようなキャリアを経てきた私にとっては、こうしたGrand Tour的な位置付けとしてのMBAプログラムと2年間の日々は、今までの価値観を見直す、新しい価値観に遭遇するための充実した期間になっています(残り1年もそうなることを期待します)。

尚、昔のGrand TourとMBAを比較してみると、
- MBAでは、学ぶべき対象は必ずしもヨーロッパではない。現在、また今後のビジネスの中心になるであろう、アジア・南米・アフリカについても、思想や歴史の宝庫であり、それらを理解することはビジネス上も活きてくる(特にアジアについてはそれが言える気がします)
- MBAでは、必ずしも"孤独な"経験が重要視される訳ではない。世界中から集まった優秀な人々からの学びは大きい
- 情報へのアクセスが格段に向上した現在であっても、自分が実際に体験・経験することが重要と言う意味において、MBAの2年という時間は短縮されるべきではなく、むしろ適切な長さではないか

MBAへの留学を考える際、留学することによるopportunity loss(経済的、経験的、社内昇進的)を考えがちですが(私もそうでした)、自分が今からチャレンジするのは自分自身を磨き、残りのビジネスパーソンとしての人生に自立的に取り組むための"Grand Tour"なのだと位置づければ、すっと納得できるような気がします。

2010年5月30日日曜日

セドナ、グランドサークル旅行記 2. 3日目

セドナ、グランドサークル旅行記について、次回は3日目・4日目をお伝えすると書いておきながら、量が多いため、3日目だけをまずまとめます。。

3日目
この日はセドナからグランドキャニオンへ日帰りで行ってきました(片道2.5時間)。数は多くないですが、前と同様行った箇所毎にまとめます。尚、今回の箇所は全てお勧めです。

a. グランドキャニオン・サウスリム
一般的に、メディア上でグランドキャニオンの写真や映像が映っているのはサウスリムの光景です。今は工事している箇所が多かったため、奥の方まで行かないと絶景ポイントにたどり着きませんでしたが、やはり壮観でした。

若干残念なのは、このサウスリムは観光客が多いため、静かに景色を見るといった感じではなかったです。

ちなみに、Grand Canyon Breweryという地ビールもあり、国立公園内の大きな売店で売っています。私も、ビール2種類とTシャツを購入しました。

b. グランドキャニオン・イーストリム
サウスリムから車で一時間以内の所にイーストリムがあります。個人的には、サウスリムよりも好きでした。その理由として、
- 展望塔があり、より高い位置からグランドキャニオンを望める
- サウスリムと違い、奥行きがある形でのグランドキャニオンを楽しめる
- 人が多くなく、展望塔の中でゆっくりおみやげの買い物ができる

展望塔の様子。これががけのすぐ近くに建っていて、上るときれいな景色を見ることができます。

展望塔の内部には、ネイティブアメリカンの絵が書かれていて、独特の雰囲気を感じさせます。ぐるぐる回りながら上の階まで上っていく形です。

展望塔最上階からの景色。

c. ナバホ族の居住地区
イーストリムからは直行でセドナに帰る予定でドライブをしていたら、途中にナバホ族の居住地区+絶景ポイントになっているスポットに出くわし、寄ってみました。ここが意外にも、満足度が高かったです。

ネイティブアメリカンのアクセサリーを売っている小屋たち。

アクセサリーを買う嫁。

小屋の直ぐ近くはがけになっていて、景色も良かったです。

2010年5月28日金曜日

Curricular Practical TrainingとSocial Security Number

日本人を含む多くのinternational studentがアメリカのビジネススクールに進学する際に取得するビザはF-1ビザというものです(中にはJ-1ビザを取得する人もいますが、大多数はF-1ビザとの認識です)。このF-1ビザを保有している学生がアメリカでのインターンの機会を得た際、インターン自体を実施することは可能なのですが、あくまでMBAプログラムにおける"就労体験"の一環でアメリカにてインターンを行うという立て付けにすることが必要なため、Curricular Practical Training("CPT")という授業の履修とCPT用のI-20の取得が必要になります。

アメリカでのインターンを経験予定の私も上記要請からCPT用のI-20を取得しましたが、そのおまけとして、CPT用のI-20を有していると、Social Security Number("SSN")を取得することが可能です。私も先日SSNを申請しましたが、無事手に入れば、アメリカにおける公的証明書類を持つことができるので、便利だなと思っています。

注)上記については、あくまでペンシルバニア大学とその中のウォートンスクールについての情報です。他校でも概ね同じような流れと聞いていますが、多少なりとも違う可能性があることはご留意下さい。

インターンの研修での学び

うーん、夏休みに入ってからブログの更新頻度が落ちてて、良くない傾向です。。。なので、短いエントリーでもたくさん更新していきたいと思います。

先週は、ある会社のインターンの集合研修に参加させていただきました。今回の研修でのlearningとしては、

1. Whartonの1年目では得る機会が少なかったが、今回の研修で得られたこと
- インタビュー・スキル
- 他校のMBAの人達(非日本人)とのネットワーキング、友達作り

2. Whartonの1年目でも学ぶ機会はあったが、再度経験できたこと
- 英語環境でのグループワーク(ミーティング、プレゼンテーション、スキット等)
- 論理的思考
- アメリカの飲みカルチャーと様々なゲーム(Apples to Apples等)

等で、短い期間にも関わらず密度は濃かったなと思っています。

特にインタビュースキルについては、前職のIB/PEでもデューデリジェンスや投資先の方へのインタビュー等、多くのインタビューの機会があったにも関わらず、体系的に取り組めていなかったような気がします。データベースや紙面からではなく、人からできるかぎり情報を引き出す力はこれからの社会でとても重要なスキルだと考えているので、今回の研修で学んだことは非常に有用でした。

MBAでも広範なスキルやネットワーク、文化・語学的な学びが得られますが、それらを補完する形で実務知識・スキルを学ぶことができるインターンは、貴重な経験であると改めて感じました。

2010年5月17日月曜日

セドナ、グランドサークル旅行記 1. 初日&2日目

先週月曜日から6日間、セドナ及びグランドサークルを旅行してきました。以前から旅行先として希望していた、アメリカ随一のスピリチュアルスポットであるセドナは、3-5月と8-9月がベストシーズンと言われており(それ以外の季節は暑すぎる&雨がよく降る、若しくは寒いようです)、今回は天候にも恵まれた、充実した旅行になりました。

最初に簡単にセドナという街の概要を記載します。
- セドナはネイティブアメリカンにとって、神々の住む地として崇められている場所
- ボルテックス(渦巻きという意味)というパワースポットが街中の色々なところにあり、特に4大ボルテックスと言われている4つの山には力があると言われている。科学的根拠があるかは不明なものの、ボルテックスの近くの木は曲がっていたり、訪れる人が何らかの力を感じるという詳言があるのは事実
- 上記特長から、占いやサイキックリーデング(前世での出来事等を読んだ上で、現世での人生に対するアドバイスをくれたりする)等を行うプロが街中にいたり、芸術家が多く住んでいたりする

初日
セドナに一番近い空港であるフェニックス空港に向けて出発。今回は、行きはデルタの1 stopで、帰りはUS Airwaysのdirectというフライトを予約してみました。行きのデルタは、予約していたフライトが朝起きた時点でキャンセル、その後自動的にrebookになったフライトもまたキャンセル、更にはフェニックス空港に着いた時点でbaggage lostとフルコースを味わいましたが、結果として当初の予定より3時間くらいしか遅れなかったため、かなりスムーズな滑り出しだったと思います(アメリカの航空産業への期待値が下がっているため、このくらいの経験は普通に思えてきます)。

空港でレンタカーを借り運転を開始しましたが、アメリカでの運転が10年ぶりだったことから、かなり緊張もあり、最初はブルブルしながら運転しました。その後落ち着き、セドナまで2.5時間のドライブを楽しみました。セドナに着いた時には4大ボルテックスの一つであるベルロックが夕日に染まる光景を見ることができました。

2日目
この日はセドナを一日満喫しました。行った箇所をお勧めの度合い(Must Go or Nice to Go)と共に記載したいと思います。尚、どのスポットも生後9ヶ月の娘を連れて行って問題なかったので、家族連れにもお勧めです。

a. ボイントンキャニオン - Must Go
街中から一番離れた所にあり、かつ4大ボルテックスの中で一番力が強いと言われているボイントンキャニオンに最初に行きました。一番近くの駐車場から山頂までは30分くらいのトレックになります。最後の5-10分くらいで一気に山頂に登る形で、我が家は片方が子供の面倒を裾野で見つつ、もう片方が山頂に登るという形で楽しみました。


尚、山頂からは日本の多くの芸能人がセドナ滞在時に宿泊しているホテルが見えました。

b. サイキックリーディング - Must Go(興味があるならば)
妻がカヴィータさんという方にサイキックリーディングをしてもらい、過去数代に渡る前世を読んでもらった上で、現世でのアドバイスをもらいました。一時間のリーディングの後部屋から出てきた妻の充実ぶりからして、相当良いアドバイスをもらったことが伺えます(少し怖かったです。。)。

ちなみに、下の写真はカヴィータさんの自宅の近くのものです。眺めが良すぎです。

c. レッドロック・クロッシング - Nice to Go
小川沿いに、4大ボルテックスの一つであるキャセドラルロックを眺める地点まで行きました。ここも景観が非常に良く、しばしキャセドラルロックを前にして、静かな時間を過ごしました。

d. テラカバキ - Nice to Go
セドナで一番人気のショッピングモール。ネイティブインディアンが作ったアクセサリーや置物等が色々なお店で売られています。但し、妻はここでは買い物はしませんでした。値段という意味でお店の敷居が少し高かったり、コンセプトが分かりにくい店がそれなりにあり、window shoppingをして帰る観光客が多い印象を受けました。

e. ホーリークロス教会 - Must Go
岩山の中腹に建てられた教会である、ホーリークロス教会。教会のロケーションやそこからの眺め、また教会内の雰囲気が個人的には非常に好きでした。ここも、4大ではないものの、ボルテックスの一つとされています。

f. エアポート・メサ - Must Go
4大ボルテックスの中で泊まっているホテルから一番近くにある、エアポートメサ。エアポートメサのすぐ近くまで車で登れることから、一番近い駐車場から山頂までは5-10分くらいの登山となります。今回も娘を片方が面倒見る形で、夫婦交互に山頂まで登りました(下の写真の山頂まであと少しという所に小さく妻と娘が映っています)。

山頂からの眺め。


g. ハートラインカフェ - Must Go
地元で人気のレストランであるハートラインカフェでディナーをしました。日本人好みのメニュー・味で、かつ値段もそこまで高くなく、街中にあることから、お勧めのレストランです。


次回は、グランドキャニオン/セドナ2日目の模様を報告したいと思います。

2010年5月4日火曜日

MBA1年目の振り返り1. "フラット化する世界"

MBA1年目の学びについて、授業・先生・同級生・課外活動・生活等の観点から振り返りたい所ですが、まずは全体としてどういう感覚を得たかという話から入りたいと思います。なぜなら、旅行・短期出張でしか海外に行くことのなかった私にとって、世界を知る、世界を感じるということは留学の目的の一つであるからです。

昨年の夏サマースクールに通いながら、何か英語の本でも読むかと思って買った一冊、それがThomas Friedman著の"The World Is Flat"(邦題:フラット化する世界)でした。結果として、初めての海外留学、しかもMBA留学の1年目で体感したことは、この本に書いてあることがまさにそうなのかもしれません。
この本で述べられている、世界をフラット化する10の要因を抜粋すると、
1. 11/9/89 : ベルリンの壁崩壊による、知の集約
2. 8/9/95: インターネットの普及
3. Work Flow Software: 個人間、企業間の共同作業を可能とするようなテクノロジーの進歩(HTML等のコーディング等)
4. Uploading: データのアップローディング
5. Outsorcing: アウトソーシング
6. Offshoring: オフショアリング
7. Supply-Chaining: サプライチェーンの開発・発展
8. Insourcing: アウトソーシングの逆で、自社の強みをベースに他社の機能を請け負う(純粋なアウトソーシーとは違い、元々の現業における強みを他社に開放するような動き)
9. In-forming: 個人がネットをベースとした、情報の創出と提供
10. The Steroids: 1-9の要因による影響をより大きくするようなテクノロジー(例としてIP電話等)
になります。加えて、一つの国や国籍に縛られない、人々の移動と混在もこれら要因と関わってくる副次要因であると私は思います。

授業で扱ったケース(Walmart, Zappos, Amazon, Zara等挙げればきりがないです)、多国籍な友人とのコミュニケーション、テクノロジーを駆使したグループワークの進め方といった学校関連の身近な経験から、米国の雇用なき回復といったマクロニュース、以前までの後進国企業が先進国企業を買収するミクロニュース、個人が発信主体となった形でのマーケティング(Dove)へのエクスポージャー、はたまた小(個人やNPO/NGO)が大(大企業・国)に勝る或いは補完する社会的動きと言ったことまで、自分が経験・見聞きしたことは全てフラット化の要因と連関しており、それを訳された日本語の活字ではなく英語環境下で肌で感じたこと、そのことをまずはこの一年の振り返りとして最初に記しておきたいと思います。