2010年4月10日土曜日

PE業界が提供する付加価値

今夜は現PEVC clubのInternational VPで、私を同clubのInternational Repに選んでくれた2年生のThomas夫妻とのディナーでした(奥様同士もヨガでご一緒させていただいたことがあるようです)。とてもinternationalなご夫婦で、経験を伺うだけでも楽しくまたうらやましく、改めて自分のlifestyleを見直す良い機会にもなりました。

ディナーではnon-US PE marketにおけるjobの話やPEという観点でどういった授業を取ったらよいかと言った話にも及んだため、久しぶりにPEの話題を載せておこうと思います。

今週のGlobal Strategyの授業で取り扱ったP&Gのケースに登場していた元CEOのLafleyを、Clayton, Dubilier & RiceというアメリカのPE firmがアドバイザー(肩書き上は"special partner")として起用することを先日発表しました。同じくつい先日、Carlyle Groupがアメリカの大手製薬会社であるWyethの元CEOをアドバイザーとして起用することを発表しました。こういった、大手企業のex-managementをアドバイザーとして起用する戦略はかなり以前から採られてきたことなので、これらのニュースは特段驚きを伴うものではありません。

一方でアメリカでは、逆にガバナンスと戦略アドバイスに長けたPEのプロフェッショナルが、投資を伴うことがなくても社外取締役や大手大学のボードメンバーとして起用されることがままあります。最近の代表例では、破綻後の新生GMの社外取締役としてTPGとCarlyleからプロフェッショナルが参画しています(TPGはco-founderのBonderman、Carlyleはmanaging directorのAkerson)。この、"投資を伴うことがなくても"という点が非常に重要で、PEが資金の出し手という定義を超えて、人材や機能の提供という点においてアメリカで認知された産業である点が重要だと思っています。

振り返って日本におけるPE marketに照らし合わせてみると、この人材や機能の提供という意味での認知や評価は、アメリカと比べ高いとは言えません。日本のPE marketの中長期的な成長を考えると、"投資を伴うことがなくても"いわばマーケティングの一環として、PEのプロフェッショナルが社外取締役・非営利機関のボードメンバーとして社会に貢献するような動きがもっとあっても良いのかなと思っています。

ちなみに提供できる付加価値の一つとして述べた"ガバナンス"については、何を持ってして提供しているのかという定義も含めて、そもそも学ぶのが非常に難しい分野だと思っています。
1. 一般的な事業会社でガバナンスに携わる職位に昇進するまでにはそれなりに時間を要する
2. 投資銀行ではガバナンスについては学べないと思われる
3. コンサルティング会社ではガバナンスの確立や整理といったプロジェクトはあると思われるものの、一つの会社のガバナンスに長期間関われるケースは少ないと思われる
4. 商社は、投資先のガバナンスに若い頃から関わることができる、数少ない業種の一つ。今の日本の大手PEに商社出身者が多いことも、この点から説明してみると納得がいきます
5. 自分で起業して実地で経験するのも有効な手段
といった感じだと思います。

ガバナンスについて学ぶ授業もあるようなので、個人的には履修してみたいと思っています。

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