2010年4月29日木曜日

活動的な妻と活発な娘 - MBA留学における家族

8ヶ月前にフィラデルフィアで初めての出産を経験し、慣れない地で育児を経験している妻ですが、留学妻生活を楽しんでいるか正直に聞いてみると、"Yes"だそうです。そんな彼女の今週これまでの予定を一例としてまとめてみると、
日曜日:
- 日本人の2年生の先輩方の送別会に参加
- (私のラーニングチームメイトがくれたケーキを食す)

月曜日:
- 翌日に控えた、Wharton Kids ClubのBake Sale(お菓子を売って、クラブの活動資金をfundingするイベント)のために友人宅でお菓子作り

火曜日:
- Whartonの校舎Huntsman HallでBake Saleを実施
- その後日本人奥様・旦那様方とランチ

水曜日:
- 朝は娘と一緒にmusic class(乳幼児が集まって音楽を聴いたり歌ったり演奏したりする授業)に参加
- 昼は家庭教師と英語の勉強
- 午後はlanguage partnerの香港人学部生と日本語英語を教え合う

といった感じで、出産直後よりも活動的な具合が伺えます。

ウォートン・ペンシルバニア大学・フィラデルフィアには充実した日本人コミュニティがあり、また英語を勉強できる実践的な機会も多く存在することから、家族、特に奥様にも充実した海外生活を自律的に楽しんでもらえる環境があると考えています。

ちなみに、最近娘がどんどん活発化してきました。最近の成長としては、
- 今まではうつぶせで後ろに進む、回転するしか出来なかったものの、前に進むようになってきた
- うつぶせから四つん這い、そのまま後ろに重心を移しお座りできるようになった
- 自分でお菓子を手にとって食べるようになった
と言った感じで、次のステップであるはいはいと立ち上がりが楽しみです。

結婚式から約1年が経ちましたが、家族を持つ幸せ(そして責任)というのは積分値なんだなと日々感じています。

Homebrewing Competition

先日Brewmasters Guild(ビールクラブ)主催のHomebrewing Competitonがありました。イベントの趣旨は、学生が家で醸造したビールを持ち寄り、品評会をしながら飲みまくろうというものです。私も主催者側として運営に携わったのですが、100人近くの人に参加してもらい、大変楽しいイベントとなりました。

こちらCo-PresidentのChrisが造ったビール。ちゃんとラベルと説明書まで作っていて、かなり凝っていました。味も、Pale Ale中心にとてもおいしかったです。


イベントの雰囲気。20本近くのhomebrewed beerを試飲して回っていたら、みんな酔っ払っていました。


当日はSierra Nevada Brewingという地ビール会社にスポンサーになってもらい、またビールの試飲ブースを設営してもらいました。


ビールの評価をするのは、American Homebrewing Associationという、Homebrewer communityの拡大を目的として作られた組織の方々です。専用の評価シートを持ってきていただき、かなり細かく採点してもらいました。


こちらが優勝チーム。


こちらがbest marketing team。卒業を間近に同じクラスの友達でチームを組んでビールを作ったという、思い出深そうなチームでした。


試飲した際の印象としては
- フルーツを使ってフレーバーを出すと、素人でもかなり本格的(っぽい)ビールを造ることが可能。特にバナナがお勧め
- フレーバー・味も重要だが、炭酸の度合いも同じくらい重要。酸が少しでも弱かったり強かったりすると、飲みにくい印象を受ける
- パッケージや宣伝文句等、マーケティングも重要
- 一人で醸造してもいいが、友人何人かでやると尚楽しい!

Brewmastersでは年二回Homebrewing Competitonをやっているので、二年生になったら参加したいと思います。尚、日本では酒造法で、アルコール濃度が1%を超えるビールを醸造するために認可が必要なことから、気軽に自家醸造できるのはアメリカならではと思いました。

2010年4月25日日曜日

NY日帰り遠足

昨日はパスポートの更新でニューヨークに再び行ってきました、今回は家族での日帰り遠足です。
新たに行った場所としては、
1. Sabon
日本では表参道等にある、ボディケア関連商品のお店。妻曰く、NY店の方が日本より相当安いとのことで、部屋用のコロン等を買っていました。

2. Katsu-Hama
本格とんかつのお店。近くには日本企業も多いらしく、日本人の客もそれなりに多かったです。黒豚を使っているので、味はおいしかったです。


3. Lower Manhattan
WTC跡地から、Wall Street, Battery Parkまでを散歩しました。特にWTCについては、新たなタワーが複数基礎工事を始めていて、完成が待ち遠しいです。

4. Ton Ton
夜は大学からの旧友で、現在マンハッタンでInvestment Bankerをやってる友達と食事。Ton Tonというモツ鍋屋に行ったのですが、ここがおいしかった。モツ鍋、レバ刺し等日本でしか食べらないようなものをおいしくいただきました。


このTon TonがあるGreenwich VillageからNYUがあるWashington Sq. Parkにかけてはおしゃれなカフェ、お店がたくさんあったので、またゆっくり散策したいと思います。

私のNYインターン中に街を散策しまくれる妻がうらやましいです。

フィラデルフィアの小児科医療事情2. - Sea Shore House, Wood Center

今から二ヶ月前の娘の半年検診の際に突然、"娘さんの頭の形が余り良くない"と言われました。それ以降二ヶ月間に渡り、以下の二箇所の診療科に掛かっていました。

1. Sea Shore House
娘の頭の形に影響を与えている要因の一つとして、生後直ぐから右ばかりを向く癖があり、左を向きたがらない(向くことは出来る)ため、圧力が偏ってかかるという点がありました。この癖を治すべく、CHOP(ペンシルバニア大学病院小児科)のリハビリ科であるSea Shore Houseにこの二ヶ月間、計4回ほど通っていました。

リハビリ科では特段の治療はなく、日々家で行うストレッチの方法をカウンセラーから教えてもらいつつ、週に一度経過を見ていく形でした。結果として、1ヵ月後にはすっかり左を向いて寝たりするようにもなり、カウンセラーからも完治とのお墨付きをもらい、昨日終了しました。

2. Wood Center
もう一つはWood Centerという建物内のPlastic Surgeryという、ヘルメット等の器具を使用して体の形を整形する診療科でした。ここにも2回程通い、1回目で脳には全く影響がないことは確認できたのですが、整形用のヘルメットを作るか作らないかは微妙なライン、と言われて様子を見てきました。そしてつい先日の検診では、形が前より良くなっていて、かつまだ骨も接合していなくやわらかいことから、ヘルメットなしで様子をみて大丈夫だろう、との診療結果になり、こちらもほぼ一件落着に終わりました。

ちなみに、少し前のものになりますが、以下がWood Centerの写真になります。


日本ではここまでしっかりした小児リハビリ、整形科が簡単に見つかるとも思えず、改めてペンシルバニア大学の医療レベルの高さに感謝しました。ちなみに上記のSea Shore House, Wood Centerはそれぞれ独立した建物で、それぞれが日本で言えばそれなりに大きい病院くらいのサイズで、設備の充実も明らかです。

一方で、脳には影響がないことは早期で確認でき、美容的見地からのヘルメット装着に論点が移っていったのですが、日本ではこのような場面ではヘルメット等せず様子を見る事が多いと聞いたことから、判断が随分conservative(よく言えば慎重)だなと感じました。

2010年4月21日水曜日

"響く"音楽と出会えない悩み

昨日寝る時にiPhoneをいじっていたら、DJ DeckstreamがJamiroquaiの"Virtual Insanity"をジャズ調にアレンジした曲を見つけて、DLしてみました。個人的にはとても心地よく仕上がっていて、早速ヘビーローテーションしています。

聞きながら、ふと昔のことを思い出しました。中学生の頃、初めてJamiroquaiのCDをタワレコで買って、家で聞いた時の感動と興奮。今まで自分が聞いたことない、"初めての"音楽でした。

振り返って、最近そういう経験があるかなと考えてみると、実はあまりありません。考えられるのは、
・新しいジャンルの音、音楽の生産スピードが遅れている
・自分がリーチできていない
・自分の趣向・センスが老化している(レーダーから外れている)
といった感じだと思いますが、3番目でないことを祈るばかりです。

2010年4月18日日曜日

Writing for Work Day - Whartonにおけるコミュニケーションプログラム

昨日朝9時から夕方4時までぶっ通して行われる、Writing for Work Dayというworkshop(Whartonコミュニケーションプログラムの主催)に参加しました(私は途中授業で2時間ほど抜けました)。

アジェンダとしては、
- Writing in the Workplace
- Effective Email
- Writing for Social Media
- Persuasion Writing or Blogging(私はBloggingに参加しました)
- Data Presentation
で、どの回もeffective writingのルールについて、当たり前のことも含めて再度認識させてくれるものでした。各セッションのtipsを書こうかなと思いましたが、長くなりそうなので止めておきます。

一点、Data Presentationでは、マッキンゼーのビジュアルコミュニケーションのディレクターをしているGene Zelaznyという先生が、どういう風に効果的なプレゼンを準備、行えばいいかレクチャーして下さり、これは大変勉強になりました。彼は"say it with presentations"という著書もあり、こちらも有名です。
特にグラフの部分については、
・メッセージは何か
・何と何を比較してメッセージを伝えるか
・そのために使うチャートの形式は何か
といったことについて説明を受けました。
チャートの形式については、実際12例のスライドメッセージに対して、自分なりにグラフを書く練習もあり、かつ他参加者が描いたチャートとの比較、幼児が書いたチャート・絵との比較もあり、大変面白かったです。

Whartonのコミュニケーションプログラム(WHCP)は充実した授業を提供しており、writingやdata display, persuasion speechや組織のトップとしてのコミュニケーション等、英語環境でのコミュニケーションスキルの向上を目指す学生に適した授業があります。私も二年生になったらいくつか履修予定です。

尚、writingのworkshopでいただいた本を家に帰ってから読んでみたら、文を書く際のルール、文章の構成のルール、文章のスタイルのルールなどが簡潔に書かれていて、これからのwritingの際に是非活用していきたいと思いました。

2010年4月17日土曜日

Bing - decision engine, not search engine

マイクロソフトが2009年6月から開始した検索サイトBingは、シェアの高い競合(Google, Yahoo! etc)に対してcompetitive edgeを築くべく、"decision engine"という形で価値を提供しようとしています。要は検索機能だけに留まらず、ユーザーの意思決定を支えるエンジンを目指していると言うことだと思います。

その一例として、Travel機能において、航空チケットの値動きの予想を提供しています。今後何日間で価格が上がる・下がるの予想を提供し、今チケットを購入すべきか、待つべきかについての提案をしてくれます。以下の映像を見ていただくと、雰囲気はなんとなくつかめるかと思います。



どこまで確からしい予想なのかは確認していませんが、こういった機能の提供自体は画期的で、顧客の意思決定という点において有用な情報だと思います。

尚、このチケット価格予想に関してのテクノロジーはマイクロソフトが自前で開発したのではなく、Bingが開始する前年の2008年に買収したFarecastという会社のものです。下記サイトを見てみると、買収される前のビジネスモデルや成長過程の一部が把握でき、面白かったです。
http://www.crunchbase.com/company/farecast

新しいビジネスアイデアを思いつく、ということだけではなく、それを実現するための資金調達とマネジメントと人材があってこそのベンチャービジネスだなと感じると共に、将来的にはオーナーシップからのExitを見据えた上での起業なんだなという印象を強く持ちました。

Let passion be your compass

今日は初の選択科目として履修していた、MKTG 777 Marketing Strategyという授業の最終回でした。先生が"my few cents"として贈って下さった言葉が、自分には非常に価値のあるものだったので、再度自分を感化させるためにも、このブログに載せておきたいと思います。

- Let passion be your compass

- The journey is the destination

- If you are who you were yesterday, move on

特に最初の、"Let passion be your compass"については、錆びが入りかけていた自分の心に深く刻まれるものでした。

(以下は誰かに対しての批判とかでは全くなく、あくまで自分に対しての訓戒として書きます)
自分にとっては、社内での昇進や高い給料、会社の名前や安定した生活(もちろんこれらも重要ですが)、そういったことを目的としたMBA留学ではないし、飲み歩いたり家族のケアをしたり(もちろんこれらも重要ですが)、そういったことを目的としたMBA留学でもありません。自分が出願時のエッセイで表現したpassionを自分の行動指針とすべく、もう一度日々の生活やpriorityについて見つめ直したいと思いました。

話を授業に戻すと、この授業で学んだマーケティングについての20弱のフレームワーク・コンセプトは、当たり前と思うものももちろんあるものの、ファイナンス中心のキャリアを歩んできた私にとっては非常に価値があるものでした。確かに先生のインド訛りの英語は聞きにくい場面もあり、確かにデリバリーがpoorな部分もありましたが、総じて満足の行く授業で、customerとどう向き合うかというマーケティングの根本的な考え方が体系的に理解できたと感じています。

旧友とのdialogue: non-business networkが人生の幅を広げる

私は大学時代に2年間文学部に所属し(その後転部)、内一年はフランス文学を専攻していたのですが、その時からの親友と今日久しぶりに長話ができ、大変楽しかったです。彼はフランスに留学後、現在日本の大学にて建築を学んでいるので、将来建築免許を取った際には、(私が家を建てるようなことがあれば)是非彼に設計をお願いしたいと思っています。建築の設計において重要な要素の一つとして、依頼主のpersonalityやidentity、life styleと言ったことへの深い理解がありますが、その観点からも私について深く理解してくれている人に設計してもらうのが一番だと考えているからです。

私にとって、こういったnon-businessの分野にたくさんの友人・知り合いがいることは、人生の貴重な財産になっています。留学中、また卒業後も是非こういったnon-business networkを広げていきたいと考えています。

ちなみに、その友人のご両親からも昔から良くしてもらっているのですが、お父さんはとある省庁の高官(ほぼ事務方のトップであったと記憶しています)から、現在は内閣府のある政策会議のトップに就かれていて、すごく身近にすごい人がいたんだなとつくづく感じてしまいます。夏に日本に帰った際には、また色々とお話を伺いたいと思っています。

最後に、今日彼からもらった一言、"Fluctuat nec mergitur*"は自分の胸にも残る非常に良いフレーズで、苦しく感じることがあった際には、是非思い出したいと思います。

*Fluctuat nec mergitur
http://en.wikipedia.org/wiki/Fluctuat_nec_mergitur
http://www.kitashirakawa.jp/taro/latin52.html

2010年4月16日金曜日

ブログの改善ポイント教えて下さい!

今日からWhartonでは、合格者向けのイベント"Wharton Welcome Weekend"が開催されています。日本人の合格者の方々にもフィラデルフィアまで来ていただいており、早速今晩は日本人コミュニティで歓迎会を催しました。

歓迎会でお会いした珈琲男先輩から、ブログのコメントを書くプロセスが煩雑で気軽に書けないとのコメントをいただき、早速直してみました。皆様、是非これからどしどしコメントお願いします!

また、こんな分野のエントリーをもっと増やして・減らしてほしい、もっと頻繁に書いてほしい、ブログのデザイン・機能を直してほしいというのがありましたら、そちらも気軽にコメントお願いします。出来る限り色々な方に楽しんでみていただけるよう、どしどし改善して行きたいと思います。

ちなみに、今日のマーケティングの授業のスピーカーが、P&Gのex-North East Asia Presidentで、その方がおっしゃっていた、"P&Gのマーケティングでは、絶えずWho/What/Howを徹底的に調査・考え抜く"という言葉が印象的で、自分のブログも書きっ放しではいけないなとつくづく思いました。

2010年4月13日火曜日

ビールで味わうグローバリゼーション

今日はBrewmasters Happy HourでTime (13th & Sansom)というPub&Restaurantに行ってきましたが、ここはなかなか雰囲気が良く、かつビールの種類が豊富でした。
http://www.timerestaurant.net/time-beer-drafts.html

Pubのメニューの"domestic" beerの所にKirin Ichibanとあったので、なんで日本のビールがdomesticなんだと議論になりましたが、結論としては、Anheuser‐Busch がKirinからライセンスを受けて、北米でのKirin Ichibanブランドの製造販売をしているから、との推測で収束しました。
http://www.kirin.co.jp/company/news/01/04/060825_1.html
たいしたことじゃないけど盛り上がれるのが、飲みニケーションの良い所です。

ちなみに、まさに今日Global Strategyの授業で、海外展開の際にどのようなentry modeを採るか(export, licensing, franchising, JV, acquisition, greenfield)というテーマを扱いましたが、アメリカには大手ビール3社とたくさんの地ビール業者、ヨーロッパ・中南米からの輸入と競合が激しく、キリン全体の方向性(アジア重視)との整合性もないことから、greenfield→完全なlicensingに切り替える形で方向転換をしたのかなと思います。

しかし、今週末にBrewmastersの皆が行くBelgium Brewery Tourがうらやましい限りです(私は参加せず)。来年のBelgium Brewery Tourか、今年9月にミュンヘンで行われるOktoberfest*(世界最大の祭り。毎年Whartonから100人以上参加)には参加したいと思っています。同じく9月には、デンバーでGreat American Beer Festivalも行われるので、こちらもかなり気になっています。

*Oktoberfest
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88

2010年4月11日日曜日

Time is Money

私のブログには、想定卒業式日までのタイマーが機能として付いているのですが、それを今日見てみると、後400日でした。常に目線は高く、視野は広く、でも徐々に勉強したいこと、経験したいことのpriorityもついてきた気がするので、must-do-listについてはやり残しのないようにしたいと思います。

"Time is Money" (Benjamin Franklin - PENN創立者)

2010年4月10日土曜日

PE業界が提供する付加価値

今夜は現PEVC clubのInternational VPで、私を同clubのInternational Repに選んでくれた2年生のThomas夫妻とのディナーでした(奥様同士もヨガでご一緒させていただいたことがあるようです)。とてもinternationalなご夫婦で、経験を伺うだけでも楽しくまたうらやましく、改めて自分のlifestyleを見直す良い機会にもなりました。

ディナーではnon-US PE marketにおけるjobの話やPEという観点でどういった授業を取ったらよいかと言った話にも及んだため、久しぶりにPEの話題を載せておこうと思います。

今週のGlobal Strategyの授業で取り扱ったP&Gのケースに登場していた元CEOのLafleyを、Clayton, Dubilier & RiceというアメリカのPE firmがアドバイザー(肩書き上は"special partner")として起用することを先日発表しました。同じくつい先日、Carlyle Groupがアメリカの大手製薬会社であるWyethの元CEOをアドバイザーとして起用することを発表しました。こういった、大手企業のex-managementをアドバイザーとして起用する戦略はかなり以前から採られてきたことなので、これらのニュースは特段驚きを伴うものではありません。

一方でアメリカでは、逆にガバナンスと戦略アドバイスに長けたPEのプロフェッショナルが、投資を伴うことがなくても社外取締役や大手大学のボードメンバーとして起用されることがままあります。最近の代表例では、破綻後の新生GMの社外取締役としてTPGとCarlyleからプロフェッショナルが参画しています(TPGはco-founderのBonderman、Carlyleはmanaging directorのAkerson)。この、"投資を伴うことがなくても"という点が非常に重要で、PEが資金の出し手という定義を超えて、人材や機能の提供という点においてアメリカで認知された産業である点が重要だと思っています。

振り返って日本におけるPE marketに照らし合わせてみると、この人材や機能の提供という意味での認知や評価は、アメリカと比べ高いとは言えません。日本のPE marketの中長期的な成長を考えると、"投資を伴うことがなくても"いわばマーケティングの一環として、PEのプロフェッショナルが社外取締役・非営利機関のボードメンバーとして社会に貢献するような動きがもっとあっても良いのかなと思っています。

ちなみに提供できる付加価値の一つとして述べた"ガバナンス"については、何を持ってして提供しているのかという定義も含めて、そもそも学ぶのが非常に難しい分野だと思っています。
1. 一般的な事業会社でガバナンスに携わる職位に昇進するまでにはそれなりに時間を要する
2. 投資銀行ではガバナンスについては学べないと思われる
3. コンサルティング会社ではガバナンスの確立や整理といったプロジェクトはあると思われるものの、一つの会社のガバナンスに長期間関われるケースは少ないと思われる
4. 商社は、投資先のガバナンスに若い頃から関わることができる、数少ない業種の一つ。今の日本の大手PEに商社出身者が多いことも、この点から説明してみると納得がいきます
5. 自分で起業して実地で経験するのも有効な手段
といった感じだと思います。

ガバナンスについて学ぶ授業もあるようなので、個人的には履修してみたいと思っています。

2010年4月8日木曜日

Twitterを始めるか悩む瞬間

ブログを書き始めたのも2ヶ月前なのに、Twitterまで始めるなんて不可能!ってずっと思ってきましたが、ブログに書くにしては内容が乏しい"つぶやき"が意外と多いことに気付きました。まだ悩んでるので、とりあえず、ここで箇条書きでつぶやくことにします。

- アーセナルCL負けたー。メッシの4得点がすごすぎるからしょうがないかもしれないですね。プレミアに集中してがんばってほしいです。
- UnitedとUS Airが統合交渉再開とのこと。8ヶ月の留学期間中にUnitedに1回、US Airに4回フライトをキャンセルされたことのある一消費者としては、合併してオペレーションがまともな会社になってほしい、乃至は長期的にはオペレーションがまともな2,3社だけ米国の航空業界に残存してほしいと思うばかりです
- ラーニングチームとのmtgが面白すぎる。明らかにリスニング能力が向上して発言もしやすくなっているので、インタラクションが楽しい
- 先週末のThai Nightと今週初めのAcumen Fundプレゼンは、もやっとボールを投げたくなるくらい、若干今いちでした(Hideもそう思ってるはず)
- Diamond, Siggelkow, Bushee, Wessels、これらの先生全部取ったらさぞかし充実した二年生のQ1,2になるだろうに、でもworkload的に爆死しそう。。(Yoshiもそう思ってるはず)
- ManhattanのHigh Lineの上にできたStandard Hotel泊まりたい!でもしばらく予約が埋まってる。。

うーん、やっぱTwitter始めようかなー

Nike's new ad with Tiger Woods

ナイキの新CMですが、これが早くも物議を醸しています。



白黒で映っているタイガーは一言も話さず、ナレーターとして彼の父親が内省を促す質問をいくつかしている形式です。ナイキは、タイガーの一連の事件の後にもスポンサー契約を続けた数少ない企業の一つで、ナイキの観点からはこういったCMで戦略的に復帰させるしかなかったのかなと思うと同時に、ニュースではself-indulgentという言葉を使っていますが、一消費者の観点からこのCMを見ると、タイガーのイメージ回復のために父親使ってまでこんなの作るのかという印象も持ちました。

皆さんはどう感じられたでしょうか?

Public Speaking Competition

本日昼に行われた、Public Speaking Competitonにaudienceとして参加しましたが、スピーチのレベルの高さとtake awayの多さから、この1ヶ月に参加したイベントの中で一番良かったです。
既に選抜されている10人がそれぞれテーマを選んで話す準決勝と、即興スピーチを行う決勝の2 stepsで優勝者を決める形式でした。

take awayの一部としては、
- 最初のつかみのパターンは、audienceへの投げかけ・歴史上若しくは自分の人生の中での大きな出来事の引用・大きな数値で気を引く・物語にいざなうような語りかけ(映画の一部を説明していたと思ったら、実はある事件の一部のことだったり)
- poseの多用により、逆に強調したい部分を引き立たせる(よって話すスピードは想定以上に遅い)
- 気分はactor / performer。何気にこれが一番重要で、声量やジェスチャー、抑揚や目線により、スピーチの印象が大きく違ってくる
- transition wordは使うことなく、でも論理構成はめちゃくちゃ分かりやすく
- 結論/closingは、これが終わりなのかと思わせるくらいにシンプルなメッセージに集約
で、英語でのスピーチの形式やどういうスピーチがそもそも上手なのかといったことへの理解が深まりました。
こういったことを理解した上で、再度Steve JobsのStanfordでのスピーチを見てみると、そのスピーチテクニックという観点でも、非常に学びが大きいです。
(内容は言うまでもなくすばらしく、前職の先輩に勧められて夜会社で初めて見た時には、涙が出そうになりました)

同じコホートのAlexは準決勝敗退、Japan Trekで知り合ったVictorは準優勝だったものの、共にクオリティの高いスピーチで、彼らからも教えてもらう機会を作れたらと思いました。

2010年4月6日火曜日

来年度の授業をどうするか

今日学校にある個人用のmail folderに行った所、早くも2年生の秋学期の授業履修に関する資料が配布されていました。来週登録のプロセスが開始されるため、早速整理のために履修予定の授業を考えてみました。

[当確]
テーマ1. コミュニケーションスキルの向上
- MGMT691: Negotiations (Diamondという人気教授による、交渉プロセス・手法について学ぶ人気授業)
- WHCP893: Writing skill for business (writingの授業)
- WHCP895: Data display (dataを効率的に見せて、人を説得するスキルを身につける授業)
- (加えてPower lab(loveと間違えてました。。)を取るか悩み中。。)

テーマ2. マーケティング専攻=定量&コストフォーカス(ファイナンス)→定性&セールスフォーカス(マーケ)へ
- MKTG754: Pricing policy (その名の通り、価格決定のプロセスと手法について学ぶ授業)
- MKTG755: Advertising management (宣伝・広告の戦略・手法について学ぶ授業。選挙におけるadvertisement等にもフォーカスが当たる模様で、比較的幅広いトピック選定である模様)
- MKTG756: Marketing research (マーケティング調査の手法について学ぶ授業)
- MKTG773: Customer behavior (消費者行動について学ぶ授業。フォーカスとしては、動機付けや認知、意思決定、記憶等心理学・社会心理学に近い内容故、個人的には相当面白そう)

[うーん悩む]
テーマ3. 経営者・起業家マインドへのシフト→書きながら思いましたが、これが自分にとって一番重要な気もする。。。
MGMT701: Strategy and competitive advantage (Siggelkowという人気教授が教える、産業・競争論の授業。これが一番悩んでます)
MGMT801: Entrepreneurship (アントレ101とも言える授業)

テーマ4. 一投資家としての成長
- ACCT742: Problems in financial reporting (財務諸表を分析する上で留意すべき問題点について、色々な業界・商慣行等をテーマに学ぶ人気授業)
- FNCE750: Venture capital and the finance of innovation (VCの一連のプロセスについて学ぶ、これまた人気授業)

Whartonでは授業履修についてauction system(10 rounds制)を採っているため、人気がある授業は高いポイントが必要になります。自分の持っているauction pointで全て買えるか不透明ですが、トライしてみようと思います。後は、夏のインターンシップを通して自分の問題意識にも変化があると思うので、それに対応する授業については後のラウンドで買おうと思います。

2010年4月4日日曜日

大人っぽくなってきた娘と親ばかになってきた私

寝てるところだけじゃなく、目を開けている娘のちゃんとした写真も載せよという指令が飛んで来ましたので、同日撮った写真を載せます。


顔がかなりしっかりしてきたというか、大人っぽくなってきて、女性と接している感覚を日々覚えるようになってきました。って言ってること自体、私が親ばかなのかもしれません。。

Netflix

Netflixという会社の名前は米国では非常に有名ですが、日本ではほとんど知られていません。簡単に言うと、TSUTAYA Discasのビジネスモデルを2000年以前から行っている企業です。最近会員になったのですが、驚くべきは物理的にDVDの在庫が送られてくるのを待つだけでなく、DVD配送の月料金を支払うだけでVoD(ネット経由で映画が見える)が一部楽しめる点です。これは、TSUTAYA Discasにはないと思います。

感じる点としては、
- レンタル事業者側は今まではDVDをコンテンツサイドから買い取って仕入れ、貸し出すことで収益を得ていたが、これからはコンテンツサイドとのrevenue share modelになっていくことが想定される
- 在庫の概念はなくなる
- 店舗サービスから宅配サービスに顧客がシフトする際のボトルネックの一つとして、宅配が届くまでの期間(今日借りて今日見たい)があったが、その概念もなくなる
- この動きをdriveしているのは、顧客ニーズと競合
- 一顧客の期間当たり利用量は増加しcustomer life time valueが下がる可能性がある(一気にたくさん見きったから、もういいか)ので、長期的にはpricingを本数毎にrigidにする必要があるか

うーん、音楽業界と同じことがDVDレンタル業界にも近々起こりそうです。また、店舗ビジネス側の考えるべきアナロジーとしては、Tower RecordとNapstarの日本における提携が当てはまりそうです。

2010年4月3日土曜日

Ingredient branding

Intel, Dolby, Gore-Tex, DuPont, 3M - これらの企業はどれもingredient brandingの成功企業です。ingredient brandingとは"a component brand listed aling with a host brand"とのことで、"Intel Inside"のように、consumer preferenceを材料サイドが得ることで、最終製品のbrandingに寄与している、乃至は最終製品のブランドにtagしてもらうことで、自らもbenefitを得ている手法です。

上記企業が代表する電子材料や化学素材等、B to B (to C)のビジネスにとっては有効なマーケティング手法だと思いますが、そもそもこういった業界って日本がすごく強い分野なはずです。なのに、世界的に成功している / 知名度が高い企業が期待より少ないのは、こういったingredient brandingを含むマーケティングに鍵があるのかなと思いました。製品力があるという意味において自力がある企業の経済活動を支えるマーケティングは、やはりビジネスを行う上で重要な要素だと思います。

2010年4月2日金曜日

Gymboree

妻が同級生の奥様から教えていただいた、Gymboreeという乳幼児向け体操・音楽教室の体験授業に家族で参加してきました。
他にも何組かのお母さん・赤ちゃんがいたので写真は撮りませんでしたが、歌を聞きながら体を動かしたり、アスレチック設備で運動の練習をしたりと、子供にとってはそれなりに刺激がある機会となり、良かったです。
2ヶ月以上コミットしなければいけないので、来月上旬にWhartonが夏休みに入ってしまうことを考えると、マンハッタンに移住してから始めようかと話しています(ちなみに日本にも元麻布と自由が丘にあるので、一時帰国中及び卒業後に続けるかも検討しています)。

帰り道娘はずっと寝続け、帰ってきて起きたと思いきや、いきなりうつぶせの体勢から腰を浮かしてはいはいの原型のような形に初めてなりました。いきなり効果が出たのでしょうか。。。

その後も寝続け、今日はお疲れのようでした。


今日感じたこととして、
- 日本にもGymboreeがあると書きましたが、乳幼児向けの教育ビジネスって日本でまだ参入余地ありそうな気がしています。妻は、どの地域にも小さい教室のようなものは既にたくさんあると言いますが、大手の塾やたまひよを発刊しているリクルートのような大手メディアとタイアップして、on-siteの教室のようなもの+off-siteでネット経由テレビに番組等を流す(Wiiを活用してもよし)形で、広範囲にroll outしていけないかなと思っています。興味を持ってくれる友人もいるので、もう少し頭の体操を続けてみる予定です
- "子供の教育方針"といったことについて考えるのは、人生の中でもかなり先のことなんだろうなとつい最近まで思っていましたが、そうでもないなと。どういった距離感で接するのか、しつけをどうするか、習い事はするのか、するならば何をするのか、日本でずっと育てるのか(彼女はアメリカ国籍を保持)と言ったことについても少しずつ考えていかないといけないなと感じました。但し、考える際に親はよく自分の理想形を投影してみたり、過去の自分の体験から反面教師的に教育方針を決めてしまいがちですが、その子にとって何がベストかという点からゼロベースで考えていきたいなと強く思っています

Michael Jackson、その価値

Japan Trekの行き帰りの飛行機の中で、Michael Jackson "This is it"を見たのですが、何度でも見る価値がある作品だなと感動を覚えました。



MJのすごさとして、
- Entertainerとしての、ショーのdetailへのこだわりと自らで全てを把握している点
- ショーの運営メンバー(ミュージシャンやダンサーや舞台演出等)に対する気遣いとリーダーシップ("怒っているんじゃない、LOVEだよLOVE"、と気遣いながら周りに指示していたのが印象的でした)
-当たり前ですが、 歌とダンスのクオリティの高さ
があると感じました。

今まではどちらかというとエキセントリックな印象を持っていましたが、それは間違っていたんだなということに、この作品を見て気付きました。人としての魅力の高さが彼の楽曲やパフォーマンスの質の高さと相まって、伝説的な人物としての評価につながっていることに納得がいきました。

Wall Street Journal

夏にアメリカでインターン及びTraining Programに参加することもあり、そろそろ少しずつ準備モード・仕事モードに切り替えるかという観点から、Wall Street Journalを購読し始めました。
今まではNews Standで1部2ドルを払ってたまに買っていましたが、購読すると6週間で15ドルと言う安さに驚きました(どういうpricing policyなんだろうか。。)。

ちなみに今日のWSJには、4/3発売のiPadのreviewがありました。
PCの完全な代替にはならないだろうが、e-mail, net surfing, video, photo viewing, gaming, social networkingに限った用途で言えば、game changerになり得るだろうというのが趣旨だったと思います。
ならばiPhoneでもいいのではと思いますが、eBook市場がよりメジャーになってくれば、カラーで雑誌やマンガや絵本を見ることができるiPadにも需要は出てくると思っています。

個人的には、買うか少し悩んでいる所です。

Brewmasters Guild

入学当時から入会していたBrewmasters Guild(ビールクラブ)の幹部につい最近就任しました。
就任のモチベーションとしては、
- 今まではどちらかというと白人中心(差別的な意図は全くありません)で運営されてきたクラブをinternational studentにも開かれたクラブに成長させたい
- アメリカの飲み・パーティーのカルチャーにもっと順応したい
- アメリカ・インターナショナルのビールをたくさん飲み、知識も深めたい
等があります。

今日も幹部のmtgがありましたが、当然お酒を飲みながらの議論になります。
一見ちゃらい人達に見えますが、Top Tier PE/Consulting/IB, Apple, Boeing, Armyと、素晴らしいバックグラウンドを持った面々です。


クラブの活動内容としては、
- ビールに関連した様々なパーティーの企画運営
- Homebrewing(家のバスタブ等でビールを醸造する)のレクチャーとコンペティションの運営
- 地ビールの醸造所への見学・遠足の企画運営
- Beer Trekの企画運営(今月にBelgium Trekが予定されています)
等があります。

個人的にもビールは大好きですし、今までとは違うタイプの友人が増えるのが非常に楽しみです。