2010年2月19日金曜日

アメリカで一番売れているワインは?

突然ですが、アメリカで一番売れているワインのブランドって何でしょうか?

正解は[yellow tail]です。
最近は日本でも良く見かけるようになったワインの一つです。


なぜ[yellow tail]がアメリカで成功したか、ある授業で議論になったポイントが面白かったので、書いてみたいと思います。
従来からワインという商品には以下のような情報(機能)が付加されています。
- 産地
- ブドウ種
- 年代
- 醸造元・ブランド

ヨーロッパの人々からするとこれらの情報を基に自分が飲みたいワインを選ぶというのが常識だと思います。
一方でアメリカでは、逆にこういった情報があっても分かりにくくなるだけで、消費者の意思決定を混乱させるというperceptionが強く、売り上げという観点でbreak throughした商品・ブランドがない状況でした。

[yellow tail]はそこに着目し、産地・年代・醸造元といった概念をなくしました。
オーストラリアワインでいくつかのブドウ種の製品がある、といったシンプルな商品構成により、アメリカ人から大きな支持を得てNo.1ワインになったのです。

生産者の立場からすると機能は付加する方ばかりに考えがちですが、機能の除去というのも重要な打ち手だと気付かされます。

例えば、
- 日本の携帯電話: デザインのかっこいいシンプルな携帯や、ご老人・子供用の電話だけができるような携帯が売れている
- IKEA: 家具は出来上がった状態のものを販売側が郵送する、といった既存の家具販売サービスにおける各機能を見直した結果のビジネスモデル
といった事も同様の考え方から来ていると思います。

これらは、機能を除去することでコストは下げながらも、本当に必要な機能は残す、或いは浮いたコストで別の機能を付加することで更なるcustomer satisfactionにつながっている良い事例です。

ちなみに[yellow tail]は、blue ocean strategyの分析対象にもなっていますので、興味ある方は下記リンクをご参照下さい。
http://www.blueoceanstrategy.com/too/yellowtail.html

もう一点ちなみに、今回のエントリーに関連する分野として、Whartonでは以下のようなマーケティングの授業があります。
- New Product Development
- Pricing Policy
- Customer Behavior
いずれもマーケティング専攻の選択科目です。

Whartonはファイナンスだけでなく、マーケティングもすばらしい授業がありますというのが今回の隠れたメッセージでした。

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