2010年2月12日金曜日

投資銀行のPE投資に対する規制について

おとといのWSJより、Whartonの学生にも人気の高いIB/PEに関する記事です。
オバマ政権が進めようとしている金融規制改革の中で、投資銀行のPE投資を禁止する法案が盛り込まれる可能性があるとのことです。
現在のPE marketにおいて、運用資産の水準が大きいfirmを上から並べると、
1. Goldman Sachs Private Equity    USD 90.7 bn
2. Carlyle Group USD 86.2 bn
3. TPG USD 58.3 bn
4. Bain Capital USD 57.4 bn
5. Blackstone USD 54.0 bn
6. KKR USD 41.7 bn
とのことです(source: WSJ)。
PEが主事業である各社を差し置いて、GSが世界最大のPE投資会社という現状は少し奇妙な気がしています。

法案が作られるか、また通るかは別として、投資銀行のPE投資に対する今までの一般的な論点は
- 投資銀行が自己勘定でビジネスをしていること自体が、顧客(PE fundや事業会社)との利益相反を生じさせる
- 自己勘定取引は投資時のleverageと相まって、経営リスクを増大させる→オバマ政権の主張
でした。
確かにこれらの論点は正しいのですが、だからといって投資自体を完全に禁止することをサポートできていない気がします。

むしろ私が奇妙に思っている理由は、
- リーマンショック後の世界において、buy low sell highで儲かったり、自己資本を極小化してローンで調達することでリターンを追求する、といったことが限界的になってきている。かかる状況下で、投資銀行のPE armが継続的にリターンを出せるか不透明
なのかなと思っています。
PEを主事業にしている各社は投資案件の選別や投資後のサポートにおいて、投資銀行が有していないと思われる機能を活用することがあります(Industry Advisorを起用する、投資後のコンサル部隊を自前で持っている等が一般的には有名)。また、コンサルタント/事業会社出身者がどのfirmにもそれなりにいるのが現状です。それらと比較すると、投資先の本源的な価値向上に資することができるかという観点から、投資銀行のPE投資には少しクエスチョンを感じています。

一方で、GSを始め各投資銀行のブランドのもと優良な案件が舞い込んでくる機会やfinancial enjineeringの能力が高いのも事実なので、投資銀行のPE投資についてはその可能性と結果を継続的にwatchしていきたいなと思いました。

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